退職後の継続給付
ここから退職後も継続して傷病手当金を受給する場合の話になります。
たぶん、一番大切な話になってくると思いますので、退職を考えている方はしっかり理解してください。
退職した後も傷病手当金はもらえるの?
退職するまでに1年以上続けて被保険者であり、退職するまでに傷病手当金の支給を受けていた(受けられる状態であった)場合、退職後も引き続き傷病手当金をもらえます。これを継続給付といいます。
継続給付は、退職後に任意継続保険に加入しても、国民健康保険に加入しても支給要件を満たしていれば、受けることができます。
なお、退職後に新たに病気やケガをして働けなくなった場合は、傷病手当金はもらえません。平成19年4月の健康保険法改正により、任意継続保険の被保険者に対する傷病手当金の支給は廃止されました。ここで勘違いしやすいのですが、継続給付が廃止されたわけではないということです。在職中からかかっていた病気で、支給要件を満たしていれば勘違いして請求していなかったとしても、時効になっていなければ、傷病手当金の継続給付は受けられますので支給要件をしっかり確認してください。
※参照:健康保険法第104条(傷病手当金又は出産手当金の継続給付)
被保険者の資格を喪失した日(任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日)の前日まで引き続き一年以上被保険者(任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者(第百六条において「一年以上被保険者であった者」という。)であって、その資格を喪失した際に傷病手当金又は出産手当金の支給を受けているものは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者からその給付を受けることができる。
1年以上続けて被保険者であるとは?
例えば、1月1日に入社して、12月30日に退職した場合、1年に満たないため継続給付は受けられませんが、12月31日に退職した場合は、1年間の被保険者であったため継続給付が受けられます。
また、途中3月31日で退職して、4月1日から別の会社に転職した場合でも継続して被保険者であったとみなされます(任意保険被保険者または、共済組合の被保険者は除く)。
注意すべきは、会社に入社したとしても3ヶ月間は試用期間で健康保険に加入していない場合などがありますので、微妙な場合は加入日を確認しておく必要があります。
退職するまでに傷病手当金の支給を受けている(受けられる状態)状態とは?
退職するまでに傷病を発症していて、待期期間の連続した3日間を完成している必要があります。さらに、傷病手当金の支給を受けていなければならないため、少なくとも1日は休みがなくてはなりません。
つまりは、退職日までの少なくとも4日間は休んでいる必要があります。(この休みは有給休暇でも構いませんが、その月の傷病手当金の請求はしておきましょう。)
もし、退職日に残務整理のため無理に出勤した場合でも、欠勤扱いにしてもらうようにしましょう。退職日に出勤してしまうと、退職日には働けない状態ではなかったと保険者に判断されれば、傷病手当金が継続給付されません。
★重要★
傷病手当金の継続給付を受ける予定ならば、退職日に出勤してはいけない!
◆退職日が3月31日のケース◆
退職日には、荷物を取りに行くのと会社の人達にあいさつをかねて会社に行きました。お昼くらいにいったので出勤にはしませんでした。
今考えると、退職すると健康保険料の負担などが増えるので、変に会社に気を遣って早く辞める必要はなかったかなぁと思います。