傷病手当金の社会的治癒ってどういうこと?
社会的治癒とは、同じ傷病で傷病手当金を支給される場合、前回の病気やケガが治癒したかどうかの判断基準です。
傷病手当金の支給期間は1年6ヶ月ですので、例えばうつ病を発症ししばらく会社を休んで傷病手当金を受けていた人が、復帰して1年くらい元気に働いていたけど、2年後にまたうつ病を発症した場合、2年前のうつ病が治癒していないと判断されれば、傷病手当金をもらうことができません。
この治癒の判断基準は医師の医学的治癒の判断と社会的治癒の判断になるわけです。
社会的治癒の条件
厚生労働省の通達では、
「社会的治癒とは、医療を行う必要がなくなり、社会的に復帰している状態をいう。薬治下又は療養所内にいるときは、一般社会における労働に従事している場合でも社会的治癒とは認められない」
となっています。つまり社会的治癒とみなす条件として
①症状が固定し、医療を受ける必要がない。つまり、通院をしていたり薬を飲んでいない。
*経過観察や予防的な通院であれば、医療を受けているとはなりません。
②一定期間、普通に働いていること。*一定期間は傷病や保険者の解釈により異なる。
③自覚症状や医師の診察でも病変や異常がないこと。
要は、うつ病などでもちょっと元気がない状態で症状が固定し、薬を飲んでおらず、月に1回の経過観察のための通院しかしておらず、会社を休まず(たまに風邪で1日、2日休んだりはしてるけど)普通に働いているような状態が一定期間あれば、治癒したものとみなすということになります。
実際にどのようなことが起きるのか
例えば、風邪で会社を休んで傷病手当金をもらった人が、1年半後に同じく風邪で傷病手当金を申請した場合、どう考えても前回からの風邪を引きずっているとは考えられないので、この場合、傷病手当金は支給されます。インフルエンザや骨折の場合なども同じです。
実際に傷病手当金が支給されるかどうかの判断(治癒があったかどうかの判断)は、保険者(加入している保険組合の職員)が出勤状況や医師の証明、そして一般的(社会的)に判断して決定することになります。
よって、個人の状況や保険者の解釈によって、傷病手当金がもらえるかもらえないかはわかりません。
ただし、実際に傷病手当金が不支給になった場合、社会的治癒の状態であったことを訴えて不服を申し立てることはできると思います。
今後、またうつ病になるかもしれないので、社会的治癒と判断される状態であるように心がけることくらいしかできません。
ただ、私の場合は、うつ病での療養期間が1年以上ありますので、社会的治癒の状態であったと判断されるにはかなりの期間、医者に通ったり薬を飲んだりしていない状態であることが必要だと思います。