傷病手当金受給中のアルバイト
まず、アルバイトはできないと考えた方が良いと思いますが、どのようなルールとなっているか説明します。
アルバイトをしても大丈夫?
傷病手当金の支給要件は、療養のため労務不能であることが要件ですので、アルバイトをした場合、労務不能でないと保険者が判断すれば、傷病手当金は支給されなくなります。
その判断基準は、
「被保険者がその本来の職場における労務に就くことが不可能な場合であっても、現に職場転換その他の措置により就労可能な程度の他の比較的軽微な労務に服し、これによって相当額の報酬を得ているような場合は、労務不能には該当しないものであるが、本来の職場における労務に対する代替的性格をもたない副業ないし内職等の労務に従事したり、あるいは傷病手当金の支給があるまでの間、一時的に軽微な他の労務に服することにより、賃金を得るような場合その他これらに準ずる場合には、通常なお労務不能に該当するものであること。
したがって、被保険者がその提供する労務に対する報酬を得ている場合に、そのことを理由に直ちに労務不能でない旨の認定をすることなく、労務内容、労務内容との関連におけるその報酬額等を十分検討のうえ、労務不能に該当するかどうかの判断をされたいこと。」
平成15年2月25日 保保発第0225007号
という通達が基準になります。
要は、ちょっとした内職をする程度なら、引き続き労務不能と判断するとなっているのですが、しようとしているアルバイトがちょっとした内職程度のものではないと保険者が判断すれば、傷病手当金はもらえなくなってしまうことになります。
会社に在職中(休職中)は
会社に在籍している場合、まずは就業規則を確認しましょう。就業規則でそもそも副業(アルバイト)が禁止されている場合は、就業規則違反になりますのでアルバイトはできないと認識しましょう。
会社を退職した後は
アルバイトをする前に健康保険組合や協会けんぽであれば社会保険事務所に相談しましょう。黙ってアルバイトをしてバレてしまった場合、傷病手当金の支給停止などになる可能性があります。
リハビリ出社の場合は
最近は、うつ病で休んでいた方の復職支援プログラムとして、リハビリ出社のシステムがある会社も増えてきました。出社の仕方も様々で、会社に朝出社して帰るだけのものや、半日だけ出社したり、復職支援施設のような所に通ったりと様々です。
さて、このような場合ですが、最近始まったばかりですのでまだ法整備等が追いついていないのが現状ですので、個人の状況、各保険組合等によって扱いも違うようです。
しかし、基本的な考え方はリハビリのためであっても会社に出社し、業務についた場合は労務不能であるという支給要件が崩れてしまいますので、傷病手当金は支給されません。
その他の場合はどうなるかについては、会社の人事担当や保険組合に相談しましょう。社員の復職に真剣に取り組む会社であれば、まっとうな対応をしてくれると思います。
そもそもアルバイトができるくらいに体調がよければ傷病手当金をもらうことはできないので、傷病手当金をもらいながらアルバイトをすることを考えるのはやめた方がいいと思います。